JVJA会員の取材報告だけでなく、取材の「途上」で、あるいはまた、編集の過程で考えたこと、悩んでいることなども、率直に出しあい、会員自らの向上も図る面を持つ、「公開報告・学習会」を、定期的に開きたいと考えています。JVJA会員だけでなく、ジャーナリズムに、そしてJVJA会員の取材テーマなどに関心をお持ちの市民の方々のご参加をお願いいたします。

 なお、基本的に JVJA事務所での開催となり、スペースが限られております関係上、事前のご予約が必要です。開催日時、報告者(あるいは学集会座長)、テーマなどは、JVJAのホームページ、JVJAのメーリングリストにてお知らせします。

 

「アジア『水』の危機 」 報告: 野田雅也 + 「命のバトン」 報告; 國森康弘
期日    2010年5月22日(土)
場所    JVJA事務所(千代田区神田淡路町1-21,静和ビル2B)
時間    13:00〜16:00(トーク終了後に國森康弘写真展(新宿)観覧会)
参加費   1,000 円 
主催    日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA )
お問合せ  JVJA 事務局  office@jvja.net  090-6101-6113

※予約制(定員15名になり次第、締め切らせていただきます) 
「アジア『水』の危機 」〜ヒマラヤ・チベットの環境異変〜 報告: 野田雅也 (13:00〜14:30)

 雲上で白銀に輝くヒマラヤ山脈。その壮大な連峰を、いにしえの人びとは“神々の座”と崇めてきた。しかしその聖域は、気候変動により、大きく姿を変えはじめている。気温上昇により、永遠と思われた雪は解け、氷河が急速に減り始めている。
 氷河は水を蓄えるタンクの役割を果たす。その水が枯渇すると、「アジア13億人もの人びとに影響を及ぼす」と警告されてきた。それが今、現実のものになりつつある。水が豊かであるはずのネパールで、深刻な水不足が起きているのだ。
 
昨年と今年4月に取材したヒマラヤの異変から、チベットの砂漠化や、永久凍土の融解など、アジア全土が直面している「水」の危機を伝えます。それは新たな争い、つまり「水」戦争を引き起こしかねないのです。

野田雅也

1974年福岡県出身。20代のほとんどを世界放浪の旅に費やす。そのなかでチベットに出会い、人びとの祈りの姿に魅了される。以来、長期にわたってチベットを訪れ、失われゆくチベットの現状を記録している。06年にはインドネシア・アチェ州にてインド洋大津波の被災地や独立を求めるゲリラ組織の密着取材を行った。08年にはチベット騒乱を撮影し、上野彦馬賞の部門・毎日新聞社賞を受賞。現在、ヒマラヤ・チベット圏を中心に「水」問題の取材を続ける。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)会員。地球環境を伝える「EYEWITNESS 目撃者たち」のメンバー。

EYEWITNESS 目撃者たち
http://www.eye-witness.jp/

 

「命のバトン〜看取りの家で教わったこと」 報告: 國森康弘 (14:30〜16:00)

 急速に少子高齢化が進む日本において、最期を自身の望む形で迎えられない高齢者たちが大勢いる。8割の人が「自宅で家族とともに最期を迎えたい」と願いながら、現実には9割近くの人が自宅の外で亡くなっている。願いはかなわないのか。かなえるには、本人は、家族は、どうすればいいのか。島根県の看取りの家での取材を通じて教わった、「それぞれの命のバトンの渡し方」―、について報告する。
 看取りの取材を始める原点にもなっている、イラクやソマリアなど紛争地、経済貧困地、そして日本での「命のバトンを渡せない死」についても紹介し、生死について考えてみたい。

(なお、今回報告のテーマとも重なる写真展『人生最期の1%』を新宿駅前コニカミノルタプラザ(20−31日)で開催中ですので、当日お時間の許す方はオープントーク終了後、一緒に写真展もご観覧頂ければと考えております)

國森康弘

1974年生まれ。神戸新聞記者を経て独立後、イラクやソマリア、ブルキナファソ、カンボジアなどを取材。国内では介護・看取りのほか、野宿労働者、元兵士たちの取材を重ねる。著書に『家族を看取る〜心がそばにあればいい』(平凡社・新書)、『証言沖縄戦の日本兵』(岩波書店)など。ナショナルジオグラフィック国際写真コンテスト2009日本版優秀賞。コニカミノルタ・フォトプレミオ2010入賞。

國森康弘ホームページ
www.kunimorifoto.net/